出会い系サイトで起こった、架空請求に関する裁判の判例を見てみましょう。
この事件は二十代の男性が、悪徳出会い系サイトの管理会社から訴えられた例です。

出会い系サイト運営業者が、大阪の簡易裁判所に小額起訴を起こしました。
訴えられた男性が登録した、出会い系有料サイトの登録料と違約金、調査費を含めた額を請求されるというものでした。

裁判所からの呼び出しを受けた男性は、その事実に全く覚えが無かったため、弁護士を通して逆に業者を訴える措置を行いました。
裁判所で下された判決は、「原告の請求を棄却する」というものでした。
つまり、裁判所は業者の請求を認めなかったのです。

さらに、裁判所が付け加えた「この案件が詐欺行為や恐喝未遂の可能性がある極めて悪質な行為である」という見解です。
今までは、悪徳業者からの違法な請求に対しては、無視をすればよいというのがほぼ常識とされてきました。

しかし、裁判所からの呼び出しに応じなかった場合、訴えを認めたと見なされてしまうことを悪用したこのような小額起訴が実際に起きたことは注目すべきことでありますが、最終的に裁判所の下した判断は社会の正義と倫理にそった納得のゆくものでした。

今回の裁判で起訴を起こした業者に対し、被告側の男性が反撃の起訴を起こしたことで、業者側に対して、慰謝料の支払いを命ずる判決が出たことで今後同じような悪質な起訴が、起きる可能性が少なくなった点においておおいに意味のあることではないでしょうか?

補足ですが、メール、電話、手紙による嫌がらせの請求に関しては従来どおりに無視してもかまいませんが、出来れば消費生活センターや国民生活センターへ相談されることをお勧めします。